廣井先生と展示

廣井先生が自分の作品を展示した時のことやその時の気持ちを語っている。江戸独楽が海外の美術館で展示されていることや江戸独楽が海外の収集家に注目されていることについて触れている。

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[13:57]

ポーラ:で、あのう、先生のお仕事についてですが、あのう国内のあのう、ご出張が多いでしょうか。

廣井:あぁ、ここで-

ポーラ:お仕事のために。

廣井:うん。仕事のため?

ポーラ:ご出張、ご出張とかは多いですか。例えば、ま、あのう、その江戸独楽を売るためとか、展覧会でとか、国内では多いですか。

廣井:そうですね。ほんとんど国内ですね。ここへ来てからは、そんなに行かないですけども、来る前は結構、行っていましたね。あのう物産展とかで、あちこちへ。ええ。やっぱり一番人気で、どこに行っても。

ポーラ:まあ一年間、何回ぐらい?

廣井:あぁ、多い時では、あぁ・・・三、四回、三回、四回は行ってました。あ!あぁ、もっと行ってた!ううんとね・・・ああそのうちほら、東京に弟が行くようになったから、そうだ。毎年ね・・・品物はずっと出して弟にやらしてたから、ほとんど一年中ですね。東京とか、大阪とか。弟が持って回って歩いてたからね。

ポーラ:で、あの弟さんはあの国際の展覧会があったとおっしゃいましたか。

廣井:あぁ、ええ。弟はね、結構外国、アメリカ・ヨーロッパへ、呼ばれて行って。なんかお陰さんでえらい人気でもって。だからさっきも言ったんだけどアメリカではあのシアトルの名誉市民にさせられた。ニューヨークも、名誉市民になんないかって言われたけど恐ろしいから断ったんだ、なんて言ってましたけどね。うん、そのぐらいあの、こう大事にしてもらって。

で、あーと、ドイツとかフランスの博物館なんかには、よく呼ばれて行ったし。で特別のコーナーも設けてもらってるみたいだし。で、なんだかんだ、フィンランドには弟の博物館ができたとかって。すごく、アメリカ・ヨーロッパの人には理解してもらって。これが、ちょっと、残念・・・なんですよね。もっと日本の人に、その何分の一かでいいから、ううん理解してもらえれば、もっといいのになぁと。残念でしょうがないんですけどね。

だから隣の国の韓国の人にまで言われたもんね。あの昔、あの韓国のテレビ、文化放送つったな、があの、取材に来たことがあるんですよ。で、その時に言われたのが、この工芸の里の人たちでは、は、みんな国の保護を受けているんですか?って、例えば人間国宝になってるんですか?って。でなんか韓国のソウルの近くにもやっぱり似たような、場所があって、そこにいる職人たちはみな韓国の日本でいう人間国宝だって言うんだよ。「ここは、も、そうなんですか?」って言われて「いや、ここはみんな個人で。県が作ったんですけど、みんな個人で借金をして、自分たちで立てて、自分たちで応援してやってるんです」って言ったらビックリしちゃって。「あぁ、それは気の毒ですね」って言われてしまって。(laughs)職人は国の宝なんですけどねぇなんて。韓国勝った、って言われて。(laughs)その時悔しかったね。(laughs)

[18:10]

ポーラ:で、あのうまた仙台の話ですが、ローカルコミュニティーとどのような関係がありますか。あの、特別な活動や展示をしますか。

廣井:はぁ、仙台で。

ポーラ:はい。

廣井:ここへ来てからはね…ここへ来てからは、あまりないんですけど、来る前は、ええとね、前・・・ここ来るまで、ええと何年間だ、三年か四年かな、あの駅前の、今ちょっとなくなっちゃったんだけどあの、十字屋デパートって、デパートがあったんですけど、そこで三年か四年、お正月に毎年、あの展示即売会をやってましたね。で、その十字屋デパートっていうのは小さなデパートで、あんまり人が入らないデパートだったんですけど、この江戸独楽の展示、お正月やる時だけは、なんか行列ができたんだって。であの、垂れ幕でっかいの付けて、えらい喜ばれて。十字屋デパート、仙台できて、初めてなんだ、あのお正月、夜中に行列ができんのは、なんて。

でそれ三年・・・で四年目にこっちへ来たから、四年目もやってくれって言われたけど、こっちに移ってしまったので、四年目はできなかったのかな。そしたら十字屋デパート潰れてしまったけどね。へへへ・・・。で今、今何になってんのかな、あそこな。何かになってっと思うんですけど。あダイエーと合併って・・・ダイエーと合併したっつったかな・・・。とにかく店はなくなっちゃったんですよね。デパートは。で、仙台でやったのは、十字屋デパートが大々的にやったのがその三年ぐらいと、後は・・・後はあまりやらなかったんだよな。後はたまにあのう・・・デパートであのう、こけし展やる、とか物産展やるからって、その時に、一緒に出したくらいで。あんまりなかったですね。であとこっちに来てしまったので。でも、そういうのやらなくても、あの好きな人がうちに尋ねて、いっぱい来てくれたんで、あのう売るのには不自由はなかったんですけどね。であとこっちへ来て、こっちへ来ればもう、お客さんがどんどん来てくれたし。

ポーラ:で、あの国際展覧会の機会することはありましたか。

廣井:あぁぁ・・・国際のね。なんかね、ううん、なんかよく分かんないんだけど、ううんと、あったことはあったな。直接ではないんですけども、その、集めた人が・・・ううんと、どこだったかな。アメリカではなかったですよね。ヨーロッパのどっかだね、フランスだか・・・あぁ、ドイツか。ドイツの博物館・・・で、なんか展覧会するからって言うので。持ってるものを寄付したんだか、飾って、ただ飾ったのか。あとドイツの方が来て、やっぱりその博物館の人が来て、うちの品物を見て、何点か買っていったこともあるし。

あとね、あぁ面白かったのは、あのう、フランスのあそこはどこだっけ。えぇ、仙台と姉妹都市になってるのが。ん?なんつったけな?えぇと、なんつったっけ・・・あれ、ちょっと忘れたぞ、名前。フランスの都市で仙台市と姉妹都市になってる・・・えぇ、ちょっと、レンヌ、レンヌ・・・ん?レンヌ??レンヌ、レンヌっつったかな。ちょっと、名前ちょっと忘れてる、レンヌ、かも分かんないけど。そこの市長さんが、独楽集めてたんだって。んで江戸独楽、が欲しくて、であのなんか交流で、あのそのレンヌ市から仙台市に、あの市の職人とかレンヌ市の市民が、来たことがあるんですよ。でそのときあの、工芸の里へ仙台市議の人が連れてきたのね、何人か。で、そっち行ってなんかこう色々話ししながら、こっから見えるんですよ。一人ね、赤ら顔のこの背のでっかい人がこっちの方を指さして、しきりに何か言ってるのね。でみんなしてこう、引き留めて、そすっとこう振り払ってこう、すごい勢いで駆け出したけど、こっちはビックリして、えらいことになったなと思って。オォ!って言ってたらオォ!っとか言って入ってきて、この鳴り独楽を、こういうの欲しいんだよ、なんて。で通訳の人、こう来たっけ、独楽を集めてて、で江戸独楽も何点かあるんだけど、どうしてもその鳴り独楽が、欲しくて、いたんだけども、仙台で作ってるのを聞いてるから、もう是非こう行きたかったんだって。でも今来ようとしたらみんなで引き留めるから、なんて、無理して引き払って、こっちに来たんだ、なんて。で、鳴り独楽ないですか。で鳴り独楽ちょうどその時あったんで、でプレゼントしてやったら、もうものすごく喜んで帰ってくれましたけどね。そんなことがありましたね、そう言えば。

[24:30]

ポーラ:そしてそのあのドイツとフランスの話はいつでしたか。何年-

廣井:あぁぁ…それは結構前だね。十…十五・六年になるかな。十五・六年にはなりますね。あと…ん待てよ、もっと前かな。二十年くらいになっか・・・?あぁ・・・ん?

うん、ううんと博物館で展覧会したときは…ちょうど二十年前だ。

仙台市の博物館、博物館でね。この江戸独楽の、展示をやったことがあるんですよ。そのときに、あとすごかったのは、あの博物館全部この江戸独楽を飾って、でそのときにランディス先生に、あの英語で、一言でこの江戸独楽を表現する、何か言葉ないかってんで、そのとき初めてランディス先生に「アンビリーバブル (unbelievable)」って言葉を聞いて。であの博物館の入口にでっかく「アンビリーバブル (unbelievable) 江戸独楽」って書いてあった。それからね、間もなくしてからテレビだのなんだので、この頃アンビリーバブルって言うようになったのね。そのときは、だから、日本でアンビリーバブルって言葉流行らしたのはランディス先生かも分かんない。へへへ。それまで、そういうこと知らなかったものね。だっけ、江戸独楽がその言葉にぴったりなんだって言われて。あぁそういうもんなだ、と思って、いたんですけどね。えぇ…ちょうど、んだから、またランディス先生が・・・うんと、あんときは…うん、やっぱり十七・八年前、前かな。その博物館で展覧会やった後だもんな、レンヌの市長が来たのは。で十、十七・八年前ですね。

その後、メキシコの国立博物館の館長さんだっていう人が、来たことがあるんですよ。ものすごいテンションの高い人でね。ウワアとこう大騒ぎして。もうフウォー!なんて、ものすごい大騒ぎして。女の人なんですけど。国立、メキシコの国立博物館の館長さんだったんだって。ものすごい喜んでくれて。で、結果どうなったんだかちょっと覚えてないんだけど。ふふふふ。もう大騒ぎして踊りまくってね。へへへ。すげえー、なんて思って。

 

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