
タイトル:
飛脚 (hikyaku)
“courier”
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この独楽は前近代に自らの脚で各地へ駆け回り書簡などを届けていた飛脚をモチーフにした作品である。独楽を回すと、脚が前後に揺れ動き まるで必死に駆け回り自らの職務をこなす飛脚の姿に見える。

鎌倉時代後期(1185-1333年)以降、馬を用いた速達飛脚の制度が存在したものの、道路の状況が大いに改善され、より安全になった江戸時代(1600-1868年)には馬を利用した飛脚または飛脚の脚がより頻繁に利用された。飛脚は厳しい天候から身を守るため よく蓑笠を身に着けていた。左にある江戸時代の浮世絵の中でも、おそらく馬を使う飛脚であろう笠をかぶった男が馬から降りる姿が見てとれる。
廣井先生が独楽について説明している映像と、そのインテビュー記録がこのキャプションの下にあります。
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廣井道顕: これは、あのー、飛脚って言って、今で言うと、何だ・・・郵便。あの、手紙なんかを、こう・・・
ジャネル・ランディス: あぁ、そうそうそう。うん。うん。
廣井: ここに、あの、持って、昔ほら、みんな歩いてたから、この飛脚はこう、マラソンだね、要するにね。駆け出してこう行って、んで、あのー宿場、宿場にこう、届けて。で、順繰り順繰りに行って、日本中どこでも行ってた昔の、郵便。これ回すと この足がプラプラしてね。すっとね、駆け出してるように見えんのね。
ジャネル: そうそうそう。 When you spin it.
廣井: うん。で、こう、ぐるーっと回る。